噛み合わせによって生体(全身)の正しい平衡と調和を取りもどそうという理論を研究し、実践しています。

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BBO研究会 [噛み合わせに関する研究及び治療]
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    ブラキシズム

    BBOでは基本的に顎関節症は現状の歯の噛み合わせが異常であるとしています。その異常は骨の歪みにありますが、歪みをつくり出すのは筋肉の緊張です。咀嚼筋の中の特定の筋が緊張するということは、早期接触、スプラ-コンタクトがあるということです。歯が全体的に同時に接触するということは下顎歯が上顎歯に同時接触するということになります。これを中心咬合と呼び、上下顎歯が最大面積で接触することを咬頭嵌合位と呼んでいますが、現実には中心咬合から咬頭嵌合位に至る前に初期接触点が存在します。
    下顎骨は頭蓋骨から筋突起により吊り下げられているので、咬合する際に下顎歯が上顎歯に接触するには咀嚼筋の緊張を伴います。初期接触点から咬頭嵌合位までの間に、早期接触の部位で咀嚼筋群はそれに関わる筋の活動を停止するか、その状態を維持しようとします。まだ接触をしない他の歯は接触を完成するために咀嚼筋群の活動を継続し、中心咬合に達します。このことは単に歯だけの関係でしかなく、顎位や頭位との関連を意味していることにはなりません。

    BBOではブラキシズムは重要な意味をもっています。ブラキシズムの存否は、その人の咬合の不完全さに対するその患者固有の反応を意味するからです。咬合干渉が非常に小さいのに激しいブラキシズムをする患者は、咬合改善を含むいかなる療法によってもこれを治療するのは困難とされています。しかし、口腔内の容積や上顎骨体の位置と下顎骨体の位置関係や頭蓋骨との関係を診査し、BBO理論に基づき咬合治療をすれば改善は行なわれます。ブラキシズムの許容レベルが低いのは、頭蓋骨の歪みが大きいからです。頭蓋骨の歪みを解放するためには、上顎骨の歪みを解放しながら下顎位の自由性を保証することです。これに反して、かなり明瞭な咬合干渉があってもブラキシズムを起こさない患者はたとえ充填や補綴処置が多少不完全でも、咬合性外傷や他の機能障害を惹起しません。これは他の臓器に影響が繋がっていく過程なのですが、口腔内の許容レベルが高いためで、暫くの期間が立つと健全歯や姿勢に影響が出ます。
    ブラキシズムからくる歯痛、筋肉痛、顎関節痛などの不快感が、しばしば心理的な緊張と被刺激性を高め、しだいに筋トーヌスとブラキシズムを増強します。故に、フィードバックの悪循環が咀嚼系に永続的なダメージを与えないうちに、この症状の診断と治療をする事が必要です。
    ブラキシズムは咀嚼系の異常な活動なので、僅かでも有害な働き、徴候や症状がないままに有害な機能不全がしばしば惹起されます。ブラキシズムは臨床的な徴候がなく通常の機能不全とは考えにくく、患者の自覚のないうちにブラキシズムで歯がおかされ、衰弱に陥ってしまいます。口腔内診査時には常にブラキシズムの症候を検査し、過去に疼痛の症状がなかったかを検査するべきです。ブラキシズムの徴候や症状はほとんどの場合明瞭には現れませんが、その兆しはみられます。しかし、患者は不定愁訴と云う形で自覚することになります。口腔内診査では重症のブラキシズムを発見できなくても、不定愁訴という形でブラキシズムを発見することになります。ブラキシズムの患者の大多数は自分の習慣に気付いていないので、患者のいう口腔内の既往歴の精査が必要です。

    ほとんど全ての人にとって、ストレスのあるときには折にふれ、強く噛みしめたり、歯ぎしりさせることは気持ちの良いものであり、外傷が付随するクレンチングをしていないなら問題になることはありません。
    ブラキシズムによる咬合性外傷は、咀嚼系の多様な構成物のどこかに出現します。歯冠や歯根に対する外傷、歯髄、歯周組織に対する外傷の他、咀嚼筋神経、口腔粘膜及び舌咽神経などの口腔外の筋、神経などのすべてに起こります。現状の歯科学では、咀嚼系の外傷の徴候や症状が現れてきたときだけにブラキシズムが重要問題としています。しかし、周辺の神経筋機構にブラキシズムが影響していることは軽視されています。

    BBOのブラキシズムの診断は、患者や多方面からの確実な既往歴で裏付けられた臨床的な徴候や症状を基にして行ないます。一般的に激しいブラキシズム患者では咬合分析は不可能であり、また誤った結果を得ることがあります。ブラキシズムの誘発因子を知るために、暫間的な咬合床、スプリント、薬物叉は、心理的療法を用いて、筋の緊張を緩和することが必要な場合もあります。
    クリック音、歯の動揺度、咬耗の程度などの診査やX-ray写真、姿勢写真、筋電図なども診断上とても重要ですが、最も重要なことは咬合接触する寸前の上下の歯の噛み合わせであり、規格模型と他の資料との総合的判断となります。

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