BBO研究会概念
BBOシステムの咬合器と計測器による顎模型診断
顎模型診断はBBO研究会オリジナルの咬合器、計測器、テーブルにより顎模型を一定の基準に従ってセットし、計測します。その特徴は以下の通りです。
1.顎模型は頭蓋に対し可能な限り再現性のある顎体規格顎模型とするため、口腔における前方基準点(切歯乳頭最高位) と後方基準点(両側ハミュラ-ノッチ)を計測器に設定し、微調整後、模型計測を行ないます。
2.本規格顎模型の顎関節に対する左右的位置決めは、前方部は切歯乳頭最 高位(高さ位置の補正あり)、後方部は口蓋正中縫合線及び口蓋小窩の中央をBBOテ-ブル本体の正中線に合わせることにより決定されます。
3.顎模型の顎関節に対する前後的位置決めは、下顎中切歯コンタクトがおよそボンウイルの三角(一辺がおよそ4Inchの正三角形)の条件を満たす位置にBBOテ-ブル本体の乳頭ピンが設計されており(計測により位置は変わる)、近似的な生体の下顎運動を得ることができます。
4.顎模型の顎関節に対する上下的位置決めは平均値的ではありますが、第一大臼歯の高さが生体に近似的である様に側面セファログラムX-rayの分析に基づいて設計されており、咬合器の上弓面すなわちカンペル平面とおよそ平行になります(顎運動の操作性と上顎前歯の上下的位置により。)
5.顎模型の顎関節における前方顆路傾斜角(平均値20度)が得られる様に、カンペル平面に対する顎関節規格X-ray分析に基づいてBBOテ-ブル上面を設計しています。
6.顎模型の水平に対する位置決めは、生体の両外眼窩に対しハミュラ-ノッチ部の左右の高さを微調整することにより一致させます。臨床的には両外眼窩を水平にし、上顎前歯歯軸又は切端と模型が一致するように修正、確認診査を行います。
7.顎模型は切歯乳頭部の骨吸収の度合いにより側面セファログラムX-ray及び正面セファログラムX-ray分析に基づいて切歯指導ピンが伸縮できる構造なので、頭蓋に対する前方部の高さの診査が行えます。また、生体の矢状面顆路傾斜角に対する咬合器の前方顆路傾斜角は、平均値ですが補償されています。
8.顎模型は金型マウントプレート=スーパーロックで装着されている為、常に安定した精度の高い着脱が可能です。
9.本規格顎模型はスーパーロックで装着されている為、マウントの際、石膏量が少なくその膨張量は極わずかになります。
BBOシステムでは、生体の個性、骨格系特質として把握する為に上顎模型と
側面セファログラムX-rayで上顎咬合平面の延長線が上部頸椎の何処を通過するかで評価します。人体は個々の生体、特質に合った基質を備えているものと考えられます。逆に、人体個々の症状はその生体の弱点に対する反応の信号であると解釈します。これが不定愁訴です。つまり、歯槽骨の形態は生体の経時的変化を、咬合平面は頭蓋骨・下顎骨の成長の軌跡と見ることができます。また、人体の諸症状は様々な要因により引き起こされていますが、BBOシステムによる診査の結果、次の傾向がよく観察されます。
(1) 上顎咬合平面の低位側に不定愁訴が多い。
(2) 上顎咬合平面の低位側に下顎前方偏位の傾向がある。
(3) 上顎咬合平面の高位側に下顎後方偏位の傾向がある。
(4) 噛み合わせが整っていない側(良く噛めない側)に不定愁訴が多い。
(5) Vertical Lossの部位により症状が現われる部位が変化する。